「どんな人を採用するべきか」という問いに対する自分の答え

この記事はnote.comからの転載です。

https://note.com/yamarkz/n/n0477591e845b

おことわり

採用という人の人生に関わるセンシティブな話題に対する個人的な意見を述べた文章です。採用する側の視点に立って書きました。

強調しておきたいのは「個人的な 」というところで。現在の仕事でも採用方面のお手伝いをしてたりしますが、そこでこの意見を主張しているわけではなく(話題にしたことさえもない...)、これまで関わってきた中で気づいた肌感を自分なりの解釈で整理しているだけです。

自分がもし組織を作る立場として、メンバー集めを行なう際に「どういった考えで採用活動に臨むのか」という仮定状況のもとに考えたりしました。

価値観が近い ≒ バリューがフィットすること はマスト

世間(狭いスタートアップ界)ではもう当たり前になっていますが、バリューフィットはマスト。

バリューというものが言語化できていればそれをベースに、お互いに長い期間(5年くらい)を想像してみてやっていけそうかどうかを確認する。

そこまでに至っていない規模(1人目~10人未満)の場合は、色々な観点で価値観が近いかどうかを確認する。

具体的には、「何をした時に喜びを感じるか」「何をされた時に嫌悪感を感じるか」「今後何を成していきたいか」「今後何を得ていきたいか」「何ができない時に諦めるか」など。

とにかく膝詰めで話をし、考え方含めた精神面でお互いに消耗する点が少ないかどうかを確認する。

人生時間の大半を共に過ごす可能性のある人と今後について話すのだから、一切妥協することなく可能な限り考えを共有すること が大事。

人数規模が少ない時ほど1/10,000の人を迎えるくらいの覚悟で望む方が、結果的に上手くいくのではないかなと思います。つまり、価値観が近い人を見つけることは非常に難しく、決して妥協してはいけないということ。

自分の答え

「バリューフィットを確認することは大事!」とは言うものの、本当にそれだけ確認できれば良いのだろうか...?

人によってその答えはさまざまだが、自分の中ではNo。

バリューフィットを大前提として、 さらに **可能性がマッチするかを確認するべき ** だと思っている。

可能性を確認する上でのポイントは大きく3つ。

重要度をつけると3 > 1という順で、3が最も重要で価値が希少。 さらに可能性は包含関係にあり、局面の打開と新しい選択肢 => できないことができる => 良い変化を加えられる という形で内包する。

なので、3の可能性があるが1はないということは論理上あり得なく、3の可能性を持つ人は1と2を必ず持ち合わせている。

1の良い変化を加えられる というのは一番わかりやすく、50点のものを80点に引き上げること。現状不足していることに対して補うことができるかどうかなので、具体的に変化するかイメージしやすい。

2のできないことができる は「やりたいけど、できない」「やれるけど、できていない」という現状の課題に対してアプローチできること。これも1と同じくわかりやすいが、「やりたいけど、できない」の場合は客観的にできるかどうかを判断することが難しいため、過去のアウトプットを参考にしたり、一緒に仕事してみて判断するのが良い。

3の局面の打開と新しい選択肢 は1と2を踏まえて、将来起こりうるリスクや可能性にどういうアプローチをしていくか、そのアプローチが既存のチームで作れる選択肢の範疇を超えた、飛躍的な一手かどうかのこと。 抽象度が高くなってしまうため、評価すること自体が難しいが、これは問いに対する答えの鋭さであったり、捻り出した打ち手に奥行きがあるかどうかに依存する。

バリューと3つの可能性のフィットが「どんな人を採用するべきか?」という問いに対する自分の答え。

バリューフィットが大前提にあり、可能性を基準に、チームに加わった時にどんな変化を起こしてくれそうかを確認し合うことが、採用活動で候補者と組織が共に成功するアプローチなのではないかと考えている。

これには候補者も自身のアウトプットが組織や事業にインパクトをもたらすことができる環境の方が、幸福度が高いはずだという前提の考えがある。

採用活動が成功した場合の手応えとタイミング

採用活動の成功を「互いに長く付き合っていける関係性が築けている」と定義した場合、それはいつ判断できるのか。

諸説考えられるが、自身の感覚知ではDay1の初動で明らかになるのではないかと考えている。

初動から期待通り or 以上のアウトプットが出せており、それが絶妙にチームや事業に還元されていく感覚を自身で感じたことがあり、この手応えを感じられている場合は高い確率で成功するのではないか?という仮説。

感覚知なのでなんとも言葉で表現しづらいが、「初動の手応えとアウトプットを絶妙にマッチする/させること」を目指すことが成功に近づくためには重要で、だからこそ新しいメンバーのオンボーディング 手を抜いてはいけないのだと思う。

意思決定に妥協しない

採用において一番ダメなのが妥協すること。 これは採用する側もそうですし、候補者側もそう。

人生の大半の時間を共に過ごす人との関係性を決める意思決定に妥協することは、不幸を自ら作り出していることと同義。

お試し入社や副業からのコミットが最近流行ってきているのは、この妥協の可能性/フィットの不確実性を上手く対処する為だと認識している。

自身もこれまで3回お試し入社を経て仕事環境を選択してきているし、もっとこの良さが広まればいいなと思っている。

最後に

採用活動は非常に難しいなと日々思っています。 言ってしまえばプログラムを書くことよりも難しい。

それと得意/不得意もあるなと。 自分は人並みにできるけど得意ではなく、過度に気を使って思考リソースを大きく消費してしまう。

将来独立したとしても、"小さなチームで大きな仕事をすること" に徹したいなという願望があります。

候補者視点では書きませんでした。 文脈がまたすこし違うので、別の機会があれば書きたい。

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