現場に足を運ぶことの価値

この記事はnote.comからの転載です。

https://note.com/yamarkz/n/n74f33cd5a26c

3月12日に、薬王堂 P!ck andというプロダクトをリリースしました。 P!ck andは日本で初めてアプリ完結型のClick and Collectサービスを提供するプロダクトで、アプリでサクサク注文し、店舗でラクラク商品を受け取れるという新しい購買体験を提供します。

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P!ck andの開発では、チームで何度か現地の店舗に足を運んでデモを行い、仮説検証を繰り返しながら進めてきました。このリーンな開発プロセスを経た中で "やっぱり現場に足を運ぶことが一番大事だな" ということを思い直したので、これまでの開発の振り返りも兼ねてその価値について書いてみようと思います。

現場に足を運ぶことの価値

  1. 情報収集の効率が高い
  2. 現場の肌感がわかる
  3. パートナーの理解を促進できる
  4. 信頼関係を築く

1./ 情報収集の効率が高い 🧐

一番の価値は情報収集効率の高さでしょう。 現場に足を運ぶことで得られる情報量は圧倒的です。 「百聞は一見に如かず」という諺がある様に、ドキュメントを読むことや担当者に話を聞くことよりも、実際の店舗に赴き自分の目で実態を観察する方が、効率良く情報集取できます。

週に2~3度はスーパーやドラッグストアに足を運ぶ自分でも、仕事というモードで店舗に入るとガラッと見えるものが変わりました。 商品陳列の特徴、スタッフの動き、店舗内の密度、時間帯によるお客様の流れ、裏側の品出しの仕組み。これらは普段の生活ではあまり気にしない or 見えないところですが、仕事モードで店舗に入ると着眼点が明確になるので、面白いくらい店舗の構造や業務の課題が見えてきます。

普段はビデオ会議を使って議論や情報共有を行って事業を前に進めていますが、現場に足を運んで店舗スタッフさんや普段画面越しにいる担当の方とカジュアルに雑談ができるところも良いところです。

店舗を歩きながら「そういえば、この商品ってなんでこういう表示になってるんですか...?」といった感じで、何気ない雑談の流れから店舗の理解を深められることや気づきを得られることもあり、そういった点で見ても、現場に足を運ぶことは情報収集効率が高いです。

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(実際の店舗でデモするからこそ、見えてくるものがある)

2./ 現場の肌感がわかる 👩‍🔧👨‍🔧

プロダクト開発において、現場の肌感を理解することは何よりも重要です。 「(憶測で)機能開発したけど、実際はあまり使われなかった」「使えるけど使いづらさが残る」といった経験をした方も多いのではないでしょうか。 ちなみに、僕もこの失敗を経験したことがあります。。。🤦‍♂️

自分たちの想像/想定は当てになりません。(あっても40%くらいの精度) 想像と実際の間には大きな溝があり、この差を埋めて使えるプロダクトを作るためにも、現場で肌感を理解する必要があります。

じゃあここでの肌感って何なの? でいくと、 肌感というのは**「現場でしか正しく認識できない事実」** のことです。

P!ck andの例でいくと、"端末はカートに備え付けるよりも首に掛けた方が動きやすく作業効率が良い"  "店舗の理解度が高いスタッフは、高くないスタッフの1/2以下の時間で商品を見つける (!)"といった事実が、仮説検証の中で見つかってきました。こういった事実はオフィスで話を聞くだけでは知り得ないことです。

正しい事実を集めて機能を作り込むからこそ、真に使えるプロダクトが作れると思っています。

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(デバイスを持って操作することで作業効率を改善)

3./ パートナーの理解を促進できる 🤳🏻

自分たちの理解を深めるために現場に足を運びますが、 これはパートナーにプロダクトの理解を深めてもらう機会にもなります。

P!ck andの開発過程では、開発途中にあったプロダクトの仮説検証(デモ)を実店舗で何度も行い、事実を集めて機能改善を進めてきました。 自分たちが実演して操作することはもちろん、実際に業務で扱うことになる店舗スタッフさんにも使ってもらい、率直な感想をもらったりしました。

店舗スタッフさんは自分たちよりも現場感を深く理解している、いわば小売のプロです。プロならではの視点で、プロダクトに良質なフィードバックをもらう機会 は、現場に足を運ばなければ得られません。 そういった機会は、良いプロダクトを開発したい自分たちにとってはとても貴重で、大変ありがたいものです。

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4./ 信頼関係を築く 🤝

テレビ会議での議論や定期的な進捗共有でも、徐々に信頼は作れていくものですが、直接会って話をした方が、お互いの信頼をより強くできます。

「順調に開発が進んでいます」と報告するよりも、「ここまでのマイルストーンで、ここまで動く状態に仕上がっています」と現場でその進捗を見せた方が、プロダクト開発の安心感や期待感は上がるはずです。 見方を変えれば、これは自分たちの強いコミットメントを示す機会にもなるため、パートナーに信頼してもらう(任せてもらうため)にも、自分はデモに行く時はかなり気合を入れて臨んでいました。(笑)

直接会って話した方が、テレビ会議では伝えづらい細かなニュアンスを含めた内容を伝えやすかったり、普段話しづらい社内事情や本音を聞く場になったりもするので、信頼を築く機会としても現場に行く価値は大きいです。

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まとめ

現場に訪れることで気づいた4つの価値について紹介してきました。 デジタル化を押し進める最前線にいる身ですが、そこでやっていることは会議室での議論ではなく、足を使った泥臭い仮説検証と、愚直な機能開発の積み重ねです。非連続な価値を作るためには、臆することなく現場に飛び込んでいく気概が何よりも大事なのかもしれません。

最後に 👋

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追記

現場訪問のガイドを作成しました。こちらも合わせて読んでみてください。

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